1980年代のSF

 こんばんは。
今日のSF特集は、1980年代まで進みました。
この時代は、第2次オイルショックを経て日本が再び好景気になり、やがてバブル景気→平成へと向かう激動の時代となりました。同時に、低迷していた日本映画界が復興し「セーラー服と機関銃」(1981年)などのヒット作も生まれました。また、テレビドラマ界では1980年代中盤から若者向けのトレンディドラマが高視聴率をたたき出し、「ふぞろいの林檎たち」(1983年)「毎度おさがわせします」(1985年)「君の瞳をタイホする!」(1988年)などがヒットを飛ばしました。さらに、この頃から大手映画会社を中心としてビデオソフトが発売され、旧作の映画・テレビシリーズや最新映画のソフトが売れていきました。
さて、日本SF界はというと…変身ヒーローの人気を押されて低迷気味の状態になり、また、それまで映画の世界で描かれていた場面が現実のものになっていった(例・「宇宙大戦争」(1959年)で主演の池部 良さんたちが月へ向かった→10年後、アポロ計画でアーム・ストロングたちが月へ向かった)のを機に、メカニック系作品が「さよならジュピター」(1984年)を最後に一時途絶えたのです。
その代わり、新しく誕生したものがあります。エスパー系とバイオテクノロジー系です。エスパー系は、いわゆる超能力者を主人公とした作品で、この年代を代表する作品としては「テラ戦士ΨBOY」「禁じられたマリコ」(1985年)「帝都物語」(1988年)があります。バイオテクノロジー系は、人間の科学が進みすぎて恐ろしいものができてしまったなどわれわれの身近に起こりえそうな出来事をスリリングに描いた作品で、「バイオセラピー」「キクロプス」(1986年)がVシネマとして日活販売で製作されました。どちらも、タイトルを見ただけでいかにも恐ろしそうな気配がします。(本編も同様です…。)
そのほかの作品は、三田村邦彦片岡鶴太郎山本コータロー主演のテレビシリーズ「もしも学校が…?」(1985年)声優・千葉 繁主演の映画「紅い眼鏡」(1987年)楳図かずお原作の映画「漂流教室」(1987年)少年隊主演の映画「19 ナインティーン」(1987年)「サンダーバート」(1966年~1967年)のパロディ作品「サンバーダード」(1988年)斉木しげるストーリーテラーを担当した「奇妙な出来事」(1989年~1990年)で放送された2作品を含め、計14作品が製作されました。
そして、時代はバブル景気崩壊→平成不況へとつながる1990年代に突入します。
では、また次回…。