「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」「大魔神」を観て

 おはようございます。昨日は大映特撮作品を公開当時の2本立てで連続視聴してみました。
まずは、「大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン」についてです。
ガメラシリーズ第2作目で、カラー作品になりました。永田雅一社長が自らプロデュースを手がけ、一流のスタッフ・キャストをそろえた豪華なものになりました。
舞台は、大阪を主として描かれています。「ゴジラの逆襲」と同じですね。
本作は、「怪獣対怪獣」よりも「主人公とヒロインのラブストーリー」「主人公の友の裏切り」といったドラマ性を重視した作風になっています。しかし、時代はゴジラシリーズが定着して怪獣ブームが巻き起ころうとしていた頃であったために子どもを中心とした観客には受け入れられず、ガメラシリーズはファミリー向け路線に変更されることになりました。なお、再び一般向け路線になるのは「ガメラ 大怪獣空中決戦」にはじまる平成ガメラ3部作まで待つことになります。シリーズものは山あり谷ありですね。
次は、その同時上映作品であった「大魔神」についてです。
のちにテレビシリーズ「大魔神カノン」としてもリメイクされた人気シリーズの第1作目です。
音楽にゴジラシリーズで知られる伊福部 昭さんが起用されていて、重厚な曲をここでも聴くことができます。
主役陣には、高田美和さん・青山良彦さん・藤巻 潤さんの3人がキャスティングされており、脇役や悪役には時代劇畑の人たちが多数起用されています。特に、主役の3人はその後の特撮作品にも出演されており、「電撃戦隊チェンジマン」の伊吹長官役でも知られる藤巻さんが最多でしょう。また、高田美和さんは父・高田浩吉さんとの2世俳優として当時知られており、最近ではその息子さんである大浦龍宇一さんも「ウルトラマンギンガS」の陣野義昭隊長役でレギュラー出演するなど、こちらも特撮作品の出演が多く驚きです。
高田さん演じるヒロインの願いを受けて復活した大魔神が、故郷の村を占領した悪役を懲らしめるのですが、その特撮シーンには多くの苦労があったと森田冨士郎カメラマンが生前のあるインタビューがおっしゃっていました。
「主人公の願いを受けてキャラクターが登場する」というコンセプトは、のちのガメラシリーズなどにも影響を与えているのかも知れません。